それぞれの生徒、いろいろな入試 ~23年度入試総括~

入試の結果が出揃うと、毎年あれこれ考える。それはもちろん不合格の理由が中心だが、その大部分は生徒にも指導者にも帰責できない、入試特有のまぎれとしかいいようのないものへの無駄な抵抗であったりする。

もとは江戸時代の剣豪の言葉で、プロ野球の野村監督の語録に「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」というのがある(と記憶している)。読んで字の如く、勝つという行為には不思議と勝ちを収めてしまったというように偶然要素が入り得るが、負けは必然、そこには必ず理由がある、という意味合いだ。

これを勉強にも援用して、学習者自身が教訓や戒めとして胸に収めておくのはよいだろうが、受験の結果に引き当てるのはうまくない。受験は選択問題というまぎれが生まれやすい方式もあるし、とりわけ精神的に未熟な高校受験生なら、勝負事に必須の精神力の高度な錬磨を求めるのは酷だ。だから受験は「勝っても負けても、不思議の結果もそうでない結果も共にある」と了見することが、とりわけ指導者にとって重要だと思う。君の不合格には必ず理由があるという見方は、ある意味正しくない。

でも、分析は塾講師にとって大切な仕事の1つなので、私はなんでも要因分析するのが習い性になってしまっている。受験の結果にはまぎれがあるから分析は無駄でもあるし、分析してすべてを生徒に帰すことは戒めなければならないのだが、それでもふと「なぜだろう」と考えてしまう。

その「なぜ」の帰着点は私の胸にしまい、新たな指導の糧とするしかない。私は毎年「過去最高の指導」を謳っている「尊大な」塾長だが、過去最高をうそぶくなら、来年の生徒には自身の無駄な抵抗を、少しでも還元しなければいけないだろう。今日は1日そんなことをつらつら考えている(どこかポエム調

高校受験、毎年そうだが第一志望の不合格もある結果だった。それにしてもこの学年はいろいろあった。書けないことも多いが、本当にいろいろな生徒がいて、いろいろな受験までの道程だった。小学4年から在籍してくれた生徒も、中3の9月に入塾してくれた生徒もいる。必死に努力して成績を爆上げした生徒もいるし、ずっと停滞していた生徒もいる。自習に通い詰め、第一志望に合格した生徒もいるし、ずっと動けなかった生徒もいる。本番で大躍進した生徒もいるし、大きく躓いてしまった生徒もいる。入試までたどり着けなかった生徒もいる。

昨年はよかった受験を取り上げて「理念の体現」としたが、もちろん今年もそうした理念を体現してくれた生徒は何人もいたものの、それよりも私的に「いろいろ感」が強すぎて、今そういう総括をすることが難しい。もしこれを読んでいる生徒がいたら、君たちの受験を綺麗に結んであげられないことを許してほしい。

大学受験、こちらは高校入試よりも負けの必然性が強く出がち。精神的にも成熟してきた高校3年生は、その努力と精神力の総体での勝負感が強くなると感じている。そして、今年もその通りの結果となった感がある。高校入試よりも大学入試の方が、そういう意味で安心して見ていられるし、我々も人事を尽くして天命を待つ的な心境になれることが多い。

高校部も小4から在籍してくれた生徒も高3から入塾してくれた生徒もいて、いろいろな生徒構成だった。この学年は中3の受験期に緊急事態宣言、臨時休校があり、学校がない期間は毎日午前中から授業をやったことを思い出す。生徒達から勉強を奪ってはならないの一心で行ったことだが、その時の生徒達も何人も最後まで残ってくれていて、送り出すのは感慨無量でもある。

大学受験では合格体験記を近日アップ予定。小学校から通ってくれた、この生徒もほんとうに「いろいろあった」生徒で、なんだか今年はそんなふり返り方ばかりかもしれない(笑

当たり前と言えば当たり前ですが、それぞれの生徒の、いろいろな23年度入試が終わりました。

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